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2018.12.10
コラム

2018年度第31回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会レポート

ご無沙汰しております。日本財団パラリンピックサポートセンターの広報インターン活動でパラ射撃の取材をさせていただいております、学習院大学の遠藤加寿です。7月ぶり、2回目の記事となります。

 今回は11月10日(土)11日(日)に開催された第31回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会の様子をご紹介したいと思います。千葉モノレール千城台駅からバスに揺られて約20分、山が近くに見える千葉県総合スポーツセンター射撃場へ向かいました。ライフルは射撃音がするためかは分かりませんが、前回お邪魔した藤枝合宿の射撃場と同様、人里離れた場所にある印象です。

 私は試合第1日目を取材しました。8時45分頃から開会式が始まり、式辞の後、行われたのは火縄銃の演武。甲冑に身を包んだ十数名の男性によるパフォーマンスは実に壮観で、特に全員による連射は発砲音が胸に突き響き、銃口からは炎と灰塵が吹いており、衝撃を受けました。50M射場には暫く煙が立ち込めていました。ちなみに射撃連盟会長は東京2020オリパラのライフル・クレー射撃の開会式で、この火縄銃の演武を行いたいと意気込んでいたので、実現が望まれます。

 試合は全て開会式の射場に隣接した10M射場で行われ、試射の後10時10分から始まりました。まず、SH1クラスです。SH1とは銃を自力で支えて撃つクラスです。今回はピストル2名、ライフル6名が同時に挑みました。女子は50分間で40発、男子は75分間で60発、それぞれ自分のペースで撃ち、その合計得点が結果となります。私のような競技未経験者からすると意外だったのは、試合中選手が射座を離れて喋ったり、水分補給したりしていたことです。確かに、非常に長い試合時間で精神面が結果に大きく影響する競技だからこそ、トイレも気分転換も大切であると納得しました。また、お客さんにも楽しんでもらうため、試合会場には音楽を流したり、お喋りもOKにしたりと工夫しているようです。

 立射の選手の足元にはメジャーが置いてありましたが、その理由は「足幅を常に一定にするため」との事でした。これは健常者のライフル選手も行うことで、「目線の高さが1㎜ズレると的で3㎜ズレる」と言われているそうです。

試合後、8名の中では唯一の女性、武樋いづみ選手にお話しを伺いました。「前半はいまいちでしたが、第4回(10発×4セットのうち)から持ち直しかけたかな、という感じです。」今大会の位置づけは?と聞くと、「2019年後期の強化指定が欲しかったのですが今日の結果だと少し厳しいと思います。」と教えてくれました。競技歴30年以上の武樋選手、今回は開会式後すぐのスタートで万全の状態では無いようでしたが、パラリンピックの基準点をすでに2回出している実力の持ち主です。次回の結果に期待がかかります。

続いて12時10分から行われたのはSH2の試合で、男女関係なく5名の選手が75分間に60発撃っていました。SH2とは「第3の手」とも呼ばれるスプリングで銃を支えて行うクラスのことです。自分のペースで撃つので、早く終わる選手もいれば、時間一杯使う選手もいます。今回は鈴木努選手が最初で、12時50分頃(試合開始後40分経過)に、最後は木下裕季子選手で13時18分頃(試合開始後68分経過)に撃ち終わっていました。

試合後、1位の木下裕季子選手にインタビューしました。前日練習は調子が良かったということで、本番の614点という結果に対し、「トータルで620点目指していたのであまり良くなかったです。」と答えてくれました。動悸が止まらず、落ち着くまでに時間がかかったそうです。もっと試し撃ちの時間が長ければ良いんだけど…という本音からは、心臓の鼓動と撃つタイミングを合わせなければならない難しさが垣間見えました。木下選手はアテネ、北京のパラリンピックに出場しており、世界選手権への出場ラインもすでに超えています。持前の気さくさと豊富な経験で、日本の射撃界を引っ張っていってくれるに違いありません。

残念ながら私はこの後の試合は見られなかったのですが、ファイナルの様子もお伝えします。日本開催の大会で決勝戦を行うことは初の試みとのことでした。選手の中にはファイナルを経験したことの無い人もいるため、有意義な経験となったことでしょう。そして、決勝戦中は手拍子が起こるなど一段と盛り上がりを見せたようです。優勝は岡田和也選手。国内でのこうした経験が国際大会での日本勢の活躍に繋がるに違いありません。


この記事を書いた人

遠藤加寿
学生広報インターン 学習院大学新聞社

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